
チャリティーライブ「HOME the FINAL(ホーム・ザ・ファイナル)」が5月31日、佐賀市街なか交流広場「656(むつごろう)広場」(佐賀市呉服元町)で開催される。
前回のチャリティーライブ「HOME」のステージに立つ千綿偉功さん
佐賀市出身のアーティスト、千綿偉功さんが発起人となり2008(平成20)年に始まった同ライブ。仕事で佐賀に帰って来る度に地元の街が寂しくなっていくのを感じたという千綿さんは、「佐賀でも多くの人が集まり、人と街を元気にすることに取り組みたい」と地元での里帰りライブを企画。佐賀出身のアーティストに出演を呼びかけ、同年8月、「佐賀城下栄の国祭り」の開催に合わせて、佐嘉神社(松原2)の特設ステージで1回目のライブを開いた。
イベントの趣旨に賛同した音楽仲間が舞台装飾や演出、ポスターやチラシ、ホームページ作りなどを手弁当で協力。手応えを感じた千綿さんら運営メンバーはライブの継続を決め、翌年以降、「656広場」に会場を移し、2019年まで12回開催。コロナ禍を経て昨年8月、5年ぶりにライブを再開したが、「佐賀城下栄の国祭り」の開催日がこれまでの8月上旬から5月下旬に変更になった今年で、「HOME」の開催に区切りを付ける。
千綿さんによると、「今回で最後の開催」と決めたきっかけは、昨年、5年ぶりの開催時に実行委員会メンバーの環境の変化を受け止めたことから。ベテランメンバーからは体力を理由に、今後も運営を続けていくことへの不安が上がり、若手メンバーからは仕事環境の変化や、結婚、出産などで、事前準備への参加が難しい人が増えたことから、「今後、このまま続けていくことは難しい」と判断。14回目となる今回を「ファイナル」ライブにすることにしたという。
出演アーティストは、千綿さんのほか、北村尚志withリアルキャスト、野副一喜さん、マエダケンタロウさん、江口宣弘さん、溝上純一さん、武下詩菜さん、徳久望さん、内田百玲さん、せいやさん。会場では、1回目から続ける「世界の子どもにワクチンを日本委員会」への募金と、「佐賀善意銀行」を通じた被災地復興支援への募金を呼びかける。
千綿さんは「佐賀の中心部で育った人の一人として、『一日だけでもにぎわいを取り戻したい』と音楽仲間に呼びかけ始めた『HOME』。時間の経過の中で、気持ちがあっても続けられないこともある難しさを実感したが、これまでに出演していただいたアーティストに感謝を伝えたい。今回、実行委員会の体制が少し変わり、アーティストのキャスティングも自分で行うなど、初心に返りながら準備している。区切りとなるステージに、ぜひ足を運んでほしい」と話す。
開催時間は11時~19時。観覧無料。現在、クラウドファンディングで協力も呼びかけている。